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romancista
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18世紀パリ。市場の悪臭の中で産み落とされたクルネイユは、生まれながらに臭覚に天才的な能力を備えていた。やがて皮なめし職人をさせられていて偶然覗いた沢山の香りの世界に、彼は惹き込まれる。

しかしながら、この映画は彼の香水作りのサクセスストーリーではないところが、やっぱりこの時代で、やっぱりフランスだなと思うのです。
モラルを教わるような環境にいなかったといえばそれまでだけど、彼はせっかく香水の職人になれたのに、実験のために最初は猫を殺し、次には売春婦を殺し、最終的に、美しい娘たちの体臭を集めるべく、連続殺人を犯していきます。

その香りを密封して保存する独自の技術を駆使し、小さな香水瓶に1人分ずつ香りを蓄える。そうして、さんざんストーカー行為を繰り返して、ついに入手に成功(つまり殺して)したとある令嬢の香りを、これまでのコレクションと調合したところで犯罪が露見、彼は捕まります。
判決は死刑であり、残酷な処刑を見ようと見物人が押し寄せています。ところが、彼は自分の香水を完成させていて、それを処刑場の群集に向かってふわりと漂わせて見せる。

そこに表れるとんでもない効果。
私は、このときの群集の台詞のほうが、「ダヴィンチ・コード」よりもキリスト教冒涜といわれて叩かれそうだと思いました。
「天使だ!」「この方は無実だ!」「許してくれ息子よ!」
宗教も法律も、肉親への愛情さえも、香水に支配されて狂うというシーン。その全く動物的な反応ぶりに、観ていて苦笑いがもれます。敵意に満ちた群集が、殺したいはずの人物をあがめて膝まづいてしまうんですからね。それもたかが「におい」で。

もしクルネイユが犯罪に走らず、政治家に加担して香水を作っていたら?とも考えさせられます。もっとも、クルネイユは肝心なところでは人間性を渇望していて、愛の欠如のために、香りに酔った群集の餌食になるのですが。

香り、臭気、においの持つ、本能に訴えかける力から人間は逃れられない。
フィクションとはいえ、どこまでかは真実かも知れないと思いました。

この映画の原作はベストセラー小説だそうです。
本で読んだらどんな感じかたしかに気になりますが、とりあえずは部屋の換気。
それからハーブのお香をたきたくなりました。

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狩路作の粗筋だと、めっちゃ面白そうな内容ではないですか!
原作、きっと読んでみます。

ところで、ワタクシ、非常な匂いフェチなんでございます。
手回り品は、まずは匂いを嗅いでから購入。
匂いが嫌だと、デザインが良かろうが、機能が優れていようが、絶対買わないのだ!です。はい。

財布売り場で、端から順に匂いを嗅いでいく私を遠巻きにしていた友人も、最近はすっかり馴染んで、
「ねえー、この財布はあなた好みかもよー(もちろん匂い)」
と、けな気に教えてくれたりします(^.^)うへへへ

当然のごとく、匂いフェチの定番、本のインクの匂いには、もうメロメロ。
でも…香水とか化粧品とかってのは、かなり苦手です。

なんちゅうか、日干しした後のフトンのお日様の匂いとか、焼けたアスファルトに落ちて一瞬にして蒸発するときの夕立の匂いとか、子犬の肉球の匂いとか(これはちょっと変態かねぇ…苦笑)
そんな匂いが、好きかなぁ…
あ、まともなところもあるのよ。フレッシュハーブの匂いは大好きだもん。

2008.03.14 20:45 Posted by 芸術を愛するブタ
変態っぽいから見てみたかったのですよ(笑
逃げる令嬢、追う変態は知っていましたが
あー・・・やっぱり逃げ切れなかったのか。
 ↑
ニオイで追いかけるから、逃げ切るのは無理そう
だなぁと、思ってはいましたが。

群集も狂っていて面白そうですが、DVDが既に臭そう(殴
映画の主軸”香り”を音楽や映像等でどう表現し
ているのか、そこも気になる1つです^^
2008.03.15 18:13 Posted by higuma
>芸術を愛するブタさん
本やインクのニオイは私も好きですね。アスファルトに夕立は、ああ、あのニオイ…。
逆にダメなのが布のニオイ。手作り手芸のお店なんて鬼門!
一番好きなのは、フレッシュハーブ系でハニーサックル。この花の時期だけはクマバチに会えます。次に好きなのは初夏の高原の風の香り。瑞々しい緑一杯な香りは大好き。

>higuma
主人公は完全に変態です。犬並の追跡能力!
香りの表現は、ほぼ演技で支えられていて、映像のみの表現は、すごく人工的だと思います。音楽は静かで、同一の香りにテーマ曲が与えられている。
>DVDが既に臭そう(殴
smellというパロディコメディが特典についてるといいな(蹴
2008.03.17 07:53 Posted by 狩
変態ぽくって、既にDVDが臭そうなのか(笑)

明後日、原作の『香水 ある殺人者の物語 』(1985年 文藝春秋 池内 紀訳) が届く予定なのです。ますます、楽しみになりました。

DVDを観ていない私は、文字のみで如何にして匂いと変態ぶりを表現しているのか、何処まで追い詰められる恐怖を疑似体験できるのか…ってのを楽しませていただきますね。うひひ

>次に好きなのは初夏の高原の風の香り

狩路さん、優雅(詩人?)だ…。
(子犬の肉球の匂いを嗅いでる自分が可哀想になったよん。恥)

でもね…高原の香りには及ばないけれど…「草いきれ」の、あのムッとするような、けれども生きる力が湧いてくるような匂いなら分かります。
樹木や大地が発する匂いは、至上の香りがするね。

2008.03.17 12:18 Posted by 芸術を愛するブタ
早い 
>芸術を愛するブタさん
もう注文したとは仕事が速い!
読んだあと是非是非ご感想を聞かせてください。
2008.03.18 17:22 Posted by 狩
妹と観たい騒ぎつつ…未だ借りてません~^^;
(youtubeに誰かが作ったパロディ映像があって
めちゃくちゃウケてます)

ところでブログに私信、申し訳ありません↓
実は(もう本当に最後にしたいのですが)又も
諸事情が重なりサイト移転する羽目になって
しまいました…冷汗。やっと準備が整いまして
今、相互様にお知らせしています。以前の
アドレスは3月30日までのミラーとして
残してありますが、今後は上記になりますので
どうぞ宜しく御願い申し上げます。
2008.03.27 01:04 Posted by トルーデ
お知らせありがとうございます。
今度、対応するようにしますね。
今日は、無理かも…。

パフューム、オワリの方で何これと叫んでしまった(笑)観ている人と話して盛りあがれそうな映画です。
2008.03.31 12:07 Posted by 狩
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