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romancista
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石橋美術館に行って来ました。私はこの展覧会を9月から待っていました。そうしてバラが見頃である11月を狙って、グッズと図録のための予算(笑)も確保して出かけていきました。
当日は曇り。予報も曇りだったけど久留米は雨かも知れないと思い、カサ持参。バスに乗るまでに図録が濡れては困るのでビニール袋も持参。

ところがこの日、バラは一旦咲き終わってカットされ、ねんりんピックがあっててそこらじゅうに看板と旗、紅白の幕の中には菊が並んでいるという有様。当然のことながら、庭園の雰囲気は台無しにされていました。
受付にさしかかり、図録の見本がないのでどこで買えますかと聞くと、図録はないんですと言われました。ガーン! じゃあきっとハガキもグッズもないんだろう、と覚悟して中へ。

いやー、久しぶりにターナーの本物を見ました。後期のではなくて、「カンバーランド州のコールダー・ブリッジ」とかのごく普通な風景画ですが、木々があって、川辺にカモ、というこの風景には十分ホームシックにさせてくれる魅力があります。
それからコンスタブルの「デダムの谷」これは、いくつかあるデダムの周辺の絵のひとつ。夏っぽいな。

それからウィリアム・ブレイクの作品が、7つもありました。そのうちの最初が「眠るダンカン王に近づくマクベス夫人」
ダンカンが、お酒かチョコレートのパッケージに描かれそうなヒゲのおじいさんてところは、意見したかったです。マクベス夫人は、「寝顔が父に似て」いたからダンカンを自分で刺せないのです。こんなくるくるっと描かれたダンカンでは、この顔が?そうですか、と思いたくなる。ダンカンの顔は向こうを向いていて、鑑賞する人には見えないといいのに。

バーン=ジョーンズの「フローラ」はポスターになっていた分です。
花のタネをまきながら、彼女は目がうつろ。この人もまた、(シャロットみたく)花の女神であることを強いられているように見えます。ウォーターハウスの「フローラ」は育ててない、摘んでる。でも一心不乱に摘んでいるから、やる気はこっちのほうがありそう。ただ、生い茂った藪のようなところで花摘みするから、オフィーリア予備軍に見えないこともないのですが。
ちなみに、近くに寄ると大分書き殴りな絵です。

ビアズリーの《サロメ》挿絵もありました。好きではないですが、見慣れているので、なんだか懐かしかった。

ところで明治には日英の交流があって、今ならフランスでしょうが、当時は日本人が絵を学ぶのにイギリスに行ったようです。(青木繁の師匠も英国派、で、青木もラファエル前派ばりの絵を描いたんですね)しかし、日本人が描いた雪はぼたん雪にしか見えない、オランダなのに福井県かどっか日本海側にしか見えない。この技術の以前にしみついた風土は、ヨーロッパの風景画にない湿度をもたらしています。逆に、イギリス人が描くと、箱根もさらさらと北国の丘になり、鎌倉に咲く一面のハスを見ても爽やかな初夏を連想してしまいます。
ノスタルジアと感じられたのは途中まで、後半の展示は比較文化としての風景画とでも呼びたかった。

はあ…図録ほしかったです。帰りは土砂降り、翌日は冷えこみ、その雰囲気はたしかに英国ぽく、意地でしっかり見てきた絵の数々を思い出しつつ、《ノスタルジア》まさに満喫致しました。

「郡山市立美術館のイギリス美術」は、久留米市の石橋美術館で、12月14日までです。
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