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romancista
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録画で見たのですが。
モノトーンのスタイリッシュな舞台!舞台装置は相変わらず極限まで少なく、パントマイムをあちこちにまぜて、それから笑わせる展開の直後にこわい結末がピシャリとやってくる。スティーブン・バーコフはカフカ作品が好きみたいで、これもそうだし、「審判」もあったし、大変楽しませてくれます。

ストーリーは原作のそのものです。一体、生の舞台であの人でイモムシのグレゴールをどう演じるのか、楽しみにしていたんだけど、主演の森山未来、見事に虫してる。背中が痛い、消耗するセールスの仕事で疲れたんだ、といって、目が覚めて虫になっているので、昨夜のきちっとした、ネクタイにシャツにベストに革靴、というスタイルのままです(お父さんもわりときちっとしたスタイルだけど、母娘はミッキーの耳のようなホワホワのものをかぶっている)。それが、動きひとつで思い切り虫になる。舞台だから、大抵の観客にはそんなところまで見えないだろうと思われる、手の細やかな動き。それがちゃんと、イモムシのゴチャゴチャした口先だとか、這い回る足先に見える。素晴らしい。不気味さの演出も手抜きなし。

舞台の装置として唯一のものがグレゴールの部屋、というかベッド周辺らしきモノで、これが照明でオレンジ色に照らされるとき、夕暮れ時の、公園の遊具みたいに見えるのです。いわばノスタルジックな家族の光景、というようなイメージ。「公園」というのもまた、物語の最後に呼応しているので、すごく、いいです。
家計のために置くことにした下宿人、というのが、へんなシマシマ衣装の道化顔の男で、これのご機嫌をとって家族が懸命にもてなすシーンは明るい感じ。この下宿人は顔からして頭が悪そうで、酔ってみんなで踊りだし、グレゴールの問題がかすんでみえそうになる、と、そのタイミングで這い出してくるグレゴール。それを見た下宿人の態度が豹変するのはもちろん原作でも衝撃的なシーンなんだけど、メイクと衣装でグロテスクに滑稽さを増したこの下宿人の豹変は、一層強烈な打撃になってます。

森山未来のグレゴールは、虫の動きが丁寧なだけではなくて、オレが主役だ、というようなでしゃばりがなくて感じが良かったと思います。ほかのキャストも息があってて溶け込んでいたし、最後まで面白かった。
これ、福岡市民会館でやるという広告は見ていて、4月はどうにか空いていたから、行くかどうか迷ったのですが、その市民会館が古くて古くていかがなものか?とひっかかったので、結局行かずじまいでした。市民会館のどのあたりの席なら失望せずに見られるかを探るとか、ほかの場所での公演の反応を調べてみるとかしたら、行く判断ができたかも知れない。が、それだけのアイデアも元気もなかったのです。やっぱり、まじで舞台を見るにはエネルギーがいると思う。
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