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romancista
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邦題が「嘆きのテレーズ」なんですけど、名前だけの題名のほうがしっくりくる。
マルセル・カルネ監督の1953年フランス映画。

クリムゾン・リバー2をTVで見てから、なんとなくフランスものを見たくて、これを入手しました。恋愛がらみなのは、おフランスだから仕方がないと諦める(本当はもっと違うものを探してたんだけど)

舞台がリヨンですが、南フランスの太陽なんぞ輝いておりません。
季節が冬で、寒々としたローヌ河の側、夫と姑とともに散歩させられているテレーズ。
夫は小柄で病身だけど、その母親がこまごまと口を出し、できないことでも息子を持ち上げ、他者を見下す人間に仕立ててしまっているのが、もうこの冒頭で丸見えです。
たった散歩くらいで帰宅すると寝込んでしまう夫。
言うことが、「寝てしまえば、金がかからない」
姑は、「夫を気遣うのが愛情ってもんだ」といびりいびり。

その夫が新しい親友なるローランを自宅に連れてきたのですが、
この男とテレーズが一瞬で恋に落ちる(らしい。解説に書いてある)。
こんな生活をしているのはよくない、逃げようというローラン。

しかるに踏ん切りがつかないテレーズ。
しょうもない小規模な暴君亭主を見捨てて、
姑の小銭くらい持ち逃げしてあかんべえしてやればいいのにそれをしないで、
夫の、「パリに行こう、気が変わらなければ別れてやる」という言葉に従う。
乗り込んだ夜行列車がパリに向かう途中で、ローランが乗り込んできて、
アホ面で眠る夫を放置して逃げようと、これが最後のチャンス!

けれどもぐずぐずしている間におきてくるアホ夫!
実力もないくせに憎まれ口の大言壮語に、ローランがぶちきれる。

わあああああ、と情けない悲鳴とともに、ドン<落下。

自首するというローランを押しとどめ、
実は結構ふてぶてしい本性をあらわすテレーズ。
姑は、愛する息子を失い発作を起こして、全身マヒになった。
が、動かず、口もきけない姑は、その目でテレーズを責める、
その目つきの意地悪そうなこと!

結末は、そんなに意外でもないのです。
列車は相席だから、夫とテレーズが通路に出たことを同じコンパートメントにいた水兵が見ている。彼は、善良な人ではないので、新聞で記事を見て、テレーズを訪ねてくるのです。ローランとテレーズは彼と取引をせざるを得なくなる。幸い、ほしくもない補償金が鉄道会社からはいったので、それをくれてやる。
水兵は約束は守るよ、といいつつ帰る。が、テレーズの店の前でバイクに乗ろうとし、トラックにはねられて瀕死!
助け出したローランに、必死で「手紙が、手紙が!」という。
「手紙がどうした、言ってくれ!」
・・・・・・・・・
水兵は、自分が5時に戻らなければ出すように、と判事宛の手紙を宿の少女に預けていた。パトカーと思われるサイレン、FINです。

自由になるチャンスを再三つぶして、最後は犯罪者としてつかまることになる、という話です。でもモノクロのフランス映画にはちょうどよかったし、悲惨な展開だけど、ちょっと詩的に見える部分もある。ちなみに、あまり、夏向きの映画じゃありません。
原作はエミール・ゾラ。
なんかこう、泥沼からどうしても出られない人々の話が多いよね、この人。
だいぶ違うとは思うけど、チンピラを好んで描くリュック・ベッソン映画も、こういう話の作り方の支流?という気もしました。
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